引用:Google Map
Xでリクエストがあった八木西口駅について、今回も適当に紹介してゆきます。
八木西口駅といえば、大和八木駅とアホ近い駅として紹介されたり、実は大和八木駅とは実質上、同じ駅なんだとか言われたり。
最近は、駅が無くなるんじゃないかと言われたり。
話題が豊富な駅です。
八木西口駅と大和八木駅、なぜ離れているのに同じ駅の扱い?
引用:Google Map/Dy Myさん
ですが、システム上では同じ駅の扱い。
なぜこうなったのか、その理由は八木西口駅の歴史を順に追えば分かります。
八木西口駅の開業
この時はまだ"八木駅"です。
今で言う橿原線が平端~橿原神宮前まで開通した時に駅が設置されました。
という事から駅設置を決めたのでしょう。
この辺はまた後で詳しく解説します。
そして今でいう大阪線はまだ。
大軌は大阪から橿原神宮までのルートを、奈良線と橿原線で得たものの
大阪からのアクセスがイマイチなので、西大寺を経由しないルートを作る事にしました。
近鉄大阪線(八木線)の開通
大軌はとりあえずの目的である「大阪と橿原神宮を繋ぐ鉄道」のために、八木駅から分岐して大阪に繋げる鉄道を作ります。
これが今の大阪線です。(当時は八木線)
細けぇ大阪線の開業うんたらかんたらは、下記の記事で。
こうして布施~八木が繋がりました。
ですが大軌はここで満足しませんでした。
ですが、橿原線の八木駅に大阪線を繋げてしまったので、そこから桜井へ向かうには無理をしないといけません。
引用元:国土地理院地図
多分こんなルートになる。
ですので、曲げずに真っすぐ桜井へ行けるように線路を新たに作る計画にしました。
八木駅については、橿原線と大阪線が交差する所に新しく作って、今で言う八木西口駅を壊すつもりだったみたいです。
統廃合の予定だったから、八木西口駅=大和八木駅という扱いが今でも残っています。
2駅の駅間は0.4キロほどと、誤差みたいなもんだし。
八木西口駅を存続させる方針へ
本来は大和八木駅に集約するつもりでした。
ですが、八木西口駅に駅名を改称して存続する事に。
その理由は、乗り換え不要の上本町→橿原神宮のルートがバズってたのが原因です。
というわけで旧八木線は残され、八木で乗降できるようにと駅の存続が決まります。
また、後に京伊特急のスイッチバックポイントとしても使用され、なかなか八木西口駅の株が下がりません。
どっかのタイミングで"連絡線"と位置付けられた旧八木線は、複線から単線になってます。
医大前駅(仮名)の新設でまたも存続の危機に
と、あっちこっちから話が挙がり近鉄は協力の姿勢を見せます。ですが・・・
当初は橿原市が困った顔をしていたそうですが、色々と話し合った結果、奈良県・橿原市・近鉄の合意によって八木西口駅は廃止の方向になりました。
メチャクチャ大切な路線ばかりなのに、値上げとはふざけてるね・・・と、権限もクソもないのに文句を言い出しました。
これに対して近鉄は少し折れました。
「八木西口駅の廃止は条件にしない」という条項が盛り込まれ、話が進んでます。
ちなみに、この取り決めは前・荒井知事で行われました。
新知事の山下知事に変わりましたが、特に変更点はないようです。
橿原市も存続には賛成なのが要因でしょう。
こうして今の所、八木西口駅は残る計画で進んでます。
八木西口駅がある橿原市八木地区は、どんな所?
これは駅の東側に"八木"という地域があるから。
ターミナル駅として大和八木駅を置いたので、ハッキリ区別するため・・・そして八木地区の西にあるから西口が付いたワケです。
交通の要所「矢木」
八木は東西の主要道路と南北の主要道路が交差する所でした。
- 東西→横大路
- 南北→下ツ道
横大路は、桜井~藤原京~八木~高田~当麻寺~二上山~太子町~羽曳野市~美原~金岡~堺と続く、今で言う国道1号線でした。
大阪の堺と藤原京・桜井を結ぶ最初の官道です。
と奈良盆地を南北に貫く道路でした。吉野や熊野へ行く主要ルートです。
ちなみに中ツ道、上ツ道もあって、桜井の方が「上」
こういう立地だったので、ある程度平和が保たれた江戸時代には、吉野・熊野・奈良・大阪・伊勢を繋ぐ宿場町として発展しました。
参考:八木町の歴史
今井町
そこは重要伝統的建造物群保存地区です。
路面がアスファルトなのは仕方がないとして、建物の見た目はまるで時代劇の中と同じような感じ。
室町末期の、天文年間・織田信長が誕生したあたりにできたお寺。
橿原市あたりの浄土真宗本願寺派の中心寺で、本堂が国の重要文化財に指定されてます。
八木地区の方にも寺があって、少なくとも1500年代にはあったらしい。
あっちもこっちも歴史的な街並みが残ってます。
現在は奈良盆地、南の中心街
日本でも有数のパワースポットがあることや、交通網が確立されている地域でもあるので、働く人も多いし、住む人も多いですな。
そんな橿原市のちょうど真ん中が八木地区あたり。
ま、実際はもう少し南ですが・・・
- 歴史的な経緯
- 交通の良い所
ということで、八木地区を中心と決めたんでしょう。
橿原市の発足は1956年です。
この時、主要な町がもう1つあって、畝傍町(橿原神宮前駅のあたり)
八木よりも畝傍の方が人口が多かったのですが、将来性を見据えて八木に選んだとワイは思います。
そもそも橿原神宮前駅の方は1940年に観光向けに整備したので、橿原市の成立の時には棲み分けする方針だったのでしょう。
今後、八木西口駅の周辺はどうなっていく?消えるのか?
今の所は八木西口駅は存続する方向性で、奈良県・橿原市と話が進んでいます。
ですが、それは医大前駅を作る話の条件であって、将来的にどうなるのかは未知数ですね。
近鉄としては、そこまで不便でもあるまいに。
大和八木は特急も停まるんだから、そこに全部統合してしまっても・・・と、心のどこかで考えているかもしれません。
県は知らんけど、橿原市は存続を考えている
奈良県は県立医大の立場でモノを言っただけの話で、立場的には「知らんがな」というスタンスでしょう。
近鉄は、合理化する必要はあるとは考えてそうです。
これまでに何度か八木西口駅と大和八木駅の統合を考えているので。
ですが、橿原市は存続を求めてるっぽいです。
- 1日の平均利用者数がそこそこある
- 八木西口駅周辺の開発を考えている
この2つから八木西口駅の廃止は「待った」をかけていると見えます。
八木西口駅の利用者数は大和八木と一緒にされているので、公式データはありません。
ですが、報道によると1日に約5000人ほどのようです。
参考:奈良新聞デジタル
そして畝傍駅の1日平均は500人ほど。
大和八木の公式記録がたいだい18000人(西口も合わせて)です。
個人的には八木西口って大して利用されてないんじゃね?と思ってましたが、案外多い事に驚きました。
- 桜井線のポテンシャルが低い
- 今井地区の最寄り駅が八木西口
- 西口廃止、医大前の設置は絶妙な距離感
多分ですが、こういった理由で八木西口駅の利用者がわりとあるのでしょう。
橿原市のプラン
橿原市は八木地区を市の中心地として位置づけ、さらに開発する気があります。
- 建物の高度制限
- 建物の容積率制限
これらを緩和しよっかな~なんて考えてました。
ようは、もっとデカい建物を建てられるようにするつもりです。
八木は位置的にも大和三山を見渡せる位置にあるので、デカい高層ビルでも建てて、展望フロアを作るなんてのも考えられます。
具体的な内容は出てませんが、制限撤廃を考えているので、何かやるでしょうな。
当面、八木西口駅は存続するだろう
あんまり近鉄は乗り気ではないようですが、橿原市はわりと前向きな感じでした。
八木地区や今井地区について、道幅が狭いという課題を抱えている事は「どないかせなアカン」と思っているようで
都市機能+伝統的建造物の保存という両輪を、うまい事転がすつもりです。
なんて密約もあったかどうか知らんけど、利用者を増やす施策を出してる以上は、そう簡単に廃止するワケにもいかんでしょう。
駅を無くすのにもお金はかかりますからね。
まとめ:八木西口駅は、橿原市第3の賑やかな駅になる可能性・・・ある?
八木西口駅は県立医大のリニューアルで一時は廃止の話が挙がりましたが、ほぼ存続の方向性で決まってます。
新駅(仮)医大前駅は、医大駐車場とグラウンドの辺りにできる予定です。
他にちょうど良い候補地がなさそうなので、現状ハッキリしてませんが決まりでしょう。
他にもテニスコートや弓道場、プールも移転し、広い駅前広場となりそうです。
それに対し八木西口駅の、特に東側は建物の高さ制限などを撤廃する方針が出てました。
今後、高層ビルや高層マンションが建つかもしれませんね。
駅が残り続けるとなると、もしかしたら大和八木・橿原神宮前に次ぐ駅に八木西口駅が並ぶかも・・・
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