撮り鉄の鉄道ノート

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米野駅の光と影。再開発事業でV字回復した、都心部の小さな駅の歴史

米野駅の光と影。再開発事業でV字回復した、都心部の小さな駅の歴史

引用:Google Map

今回もリクエストから。「米野駅をやってほしい」とあったので、適当に調べてみました。

米野駅は名駅の隣なだけあって、都会なのかというと・・・そういう事でもなく

駅の南側は再開発事業で"それっぽい"ですが、北側はそこら辺の住宅街です。

線路を挟んで、まるで別世界な所。

この記事の内容
  • 米野駅のスペックと歴史
  • 米野地区の歴史。城跡と石工と貨物ターミナル
  • 米野駅周辺の見どころ。まだこれからやで

米野駅は近鉄名古屋線で利用者最下位かと思いきや

米野駅は近鉄名古屋線で利用者最下位かと思いきや

引用:Google Map

米野駅は、隣が近鉄名古屋駅で駅間があまり無い事から

利用者数が1番少ないんじゃね?と思われがちですが、実はそうではなく

近場の再開発事業で、持ち直してます。

米野駅の開業

米野駅は1938年6月26日に開業しました。

この日は桑名~名古屋の開通ですので、名古屋線の全通から駅がありました。

都心部あるあるで、駅間距離が短くても駅が置かれたパターンです。

ちなみに、近鉄で1番駅間距離が短い(数値上)丹波橋桃山御陵前も最初からありました。

関連記事:近鉄丹波橋駅。主要駅なのに規模が小さい原因

国鉄笹島駅があった

米野駅のすぐ隣には、国鉄笹島駅がありました。

元々は名古屋駅で貨物も取り扱ってたのですが、容量不足のために機能を分離。

すぐ近くに笹島駅を作って、貨物の機能を移転する事になりました。

陸路だけでなく、運河を通じて船貨物も取り扱う、大きな貨物ターミナルができました。

ココは後に、廃止となります。

米野駅のスペック

米野駅のスペック

引用:Google Map

米野駅は2面3線の駅ですが、3番乗り場は回送のためのスペースなので定期旅客列車の発着に使用されません。

ほとんどが特急の回送に使用されてて、名古屋から米野車庫へ入庫する時に使われます。

出庫時は使われません。

  • 待合室なし
  • トイレはある
  • 駅前広場なし
  • 駅舎ほぼなし
  • 出入り口は1箇所だけ
  • 券売機と自動改札機は1つずつ

名古屋駅のすぐ隣の駅だっつーのに、まるで田舎の駅です。

主要駅の隣あるある・・・は、ならず

主要駅の隣の駅は、利用者数が少ない傾向にあります。

米野駅も、かつてはそんな駅でワースト1位に近い駅でした。

ですが、ささしまライブ24地区ができてから、利用者数が伸びてます。

最新の2023年11月8日(特定日)乗降人員調査結果では

米野駅は、1,254人で名古屋線44駅中の、7位でした。

桃園559
箕田788
豊津上野1,040
鼓ヶ浦1,131
長太ノ浦1,135
磯山1,218
米野1,254

ちなみに2005年の米野駅の特定日調査では637人。

この数字を最新の順位に入れると、2位になってしまいます。

そっから約2倍になっているのは、再開発事業の効果はかなりあったと言えるでしょう。

米野駅がある米野地区の歴史。米野城があったらしい

米野駅がある米野地区の歴史。米野城があったらしい

引用:Google Map

米野駅の駅名は「米野地区」から取ってます。

駅の住所は中村区平池町ですけど、駅の大半は中村区下米野町です。

米野は薦野からの変化

1354年、熱田社の領目録案に「愛知郡薦野郷田畑四町壱段」とありました。

この薦野郷こものきょうってのが「米野郷」に変わったらしい。

熱田社ってのは、熱田神宮

熱田神宮の持ってた領地の1つが、米野のあたりだったようです。

で、記録が残ってたんだとさ。

今や中川運河という運河になってますが、これは元々は自然の河川らしい。

他、庄内川や新川に近い事や、自然の河川が他にもあった土地なので、農地があったのは多分本当。

ですが、室町以降からは武将だらけの地域なので、城下町が広がったと考えられます。

参考:名古屋のまちの成り立ち(PDF)

今や、場所不明の米野城

今や、場所不明の米野城

引用:Google Map

米野城が米野地区のどっかにあったらしい。跡形なく消えたので、長松寺の周辺のどっか・・・としか分かってません。

城の主は、中川弥兵衛です。

中川は、稲生合戦で織田信行側についた人です。

稲生合戦は、織田信長織田信行(弟)でどっちが家を継ぐか大ケンカになったもの。

もちろん織田信長が勝利し、米野城は取り壊される事になりました。

石切場があった米野地区

石切場があった米野地区

引用:Google Map

米野駅と黄金駅の間に金山神社があります。

元からこの場所にあったわけではなく、鉄道を敷きたい所に神社があったようで移転しました。

地元住民から信仰の対象にされてましたが

名古屋城を作る時の石材を加工する石切場がすぐ近くにあった事から、石工たちからも拝まれる事になりました。

その名残で、今は金属加工業者がお祈りしてます。

名古屋城の残石

引用:Google Map/Hitoshi Mさん

で、なぜか運搬ルートだった川から石が出土したらしい。

落としてしまったのか、わざと捨てたのか知らんけど。(笑)

貨物ターミナルの廃止。再開発

名古屋駅から分離された笹島駅は、昭和の終わりごろになって整理される事になりました。

西名古屋港線名古屋貨物ターミナル駅が完成した事が要因。

あっちにまとめる事になったので、笹島貨物駅を廃止する事に決まりました。

廃止になった後は、広い敷地を活かしてイベント会場などに使ってましたが・・・

本格的に再開発事業が進み「ささしまライブ24地区」として開発されました。

2000年に名古屋市が事業計画を決め、2017年にメインの建物が完成。

完成以降、米野駅の利用者数は増加しました。

米野駅の見どころは近鉄好きくらいしか分からん?

米野駅の見どころは近鉄好きくらいしか分からん?

引用:Google Map

ぶっちゃけて言うと、駅周辺は特にコレといったものはありません。

ささいまライブ24へ行くならまだしも

駅の北側は本当に何も無い、と言っても良いでしょう。

だがしかし、近鉄特急は見れる

近鉄名古屋駅から入庫する特急列車を頻繁に見れるので、撮り鉄スポットになってます。

名駅のホームは5つあるんですが、次から次へと特急の発着をしなくちゃならんので、スペースが足りません。

多い時は1時間に5本の特急が発車するので、お客さんを降ろしたら一旦消えてもらわないと次が入れません。

というわけで、特急は1度米野駅に戻り、降り返して車庫へ。

折り返し作業中に駅でゆっくり撮る事ができます。

駅も撮影ポイントですが、駅の西側にある向野橋から撮影する人も居ます。

背景には名駅前の高層ビル群が入る角度なので、わりと良い構図になるでしょう。

ささしまライブ24地区

ささしまライブ24地区

引用:Google Map

ちょっと歩きますが、やはり"ささしまライブ24地区"でしょう。

愛知大学Zepp中京テレビ放送の本社、映画館、商業施設などが集まってます。

メインのグローバルゲートには

  • コンベンションホール(大会議場)
  • プリンスホテル(西武のホテル)
  • さまざまな会社のオフィス

などなどが入ってます。

難点はアクセスが悪いって事ですが、実は名駅からバスが出ているので、そうでもないのです。

米野駅から歩くよりはマシ。

ちなみに、地区の東側にJR東海名鉄の新駅を置く構想があったのですが、今の所は中ぶらりんです。

ささしまライブ24地区

引用:Google Map

白紙になってもないし、話が進んでるワケでもない。

新駅設置したらどうなるか、調査しよか

との報道が2019年にありました。

参考:『中日新聞』2019年9月10日朝刊市民版18頁「笹島地下通路に調査費 事業化狙い 市が予算案」(中日新聞社 谷悠己)

米野公園・熊野社

米野公園・熊野社

引用:Google Map

米野駅の北西方向には、米野公園という広めの公園があります。

この辺りは元々、バリバリの住宅街でしたが

防災目的のために緩衝緑地として、公園ができました。

すぐ隣にある熊野社と言う神社は江戸時代にできた神社で、イザナミが祀られてます。

公園自体はそんなに特別なもんじゃありませんが

名駅方向のビル群が綺麗に撮れる、撮影スポットとして有名です。

まとめ:米野駅は持ち直したものの、田舎風から抜けられん

米野駅は持ち直したものの、田舎風から抜けられん

引用:Google Map

米野駅は、駅スペックだけ見るとどっかの片田舎の駅っぽいです。

ですが、すぐ近くは名古屋駅のビル群があって、異様な風景となってます。

そんな変わった駅ですが、近鉄車両を撮るには良きスポットです。

個人的には、撮りに行ってみたいなぁとちょっと思った駅。

もしかしたら・・・いつか行くかも。

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