引用:Google Map
今回は近鉄名古屋線の主要駅「津」です。
リクエスト者によると、近々行く予定らしい・・・・・
津駅といえば、日本一短い駅名(日本語表記)ですね。
ひのとりに乗っていると、印象的なハングル文字も表記されて、つい覚えてしまいます。
津駅の歴史
引用:Google Map
津駅は、今のJR東海が先に作ってます。
その後に近鉄(当時は参宮急行)がやってきました。
津駅そのものの誕生
1891年11月4日、関西鉄道の駅として開業しました。
1907年10月1日に国有化されて、国鉄の駅に。
この時期はまだ大軌・奈良線は開業してません。
柏原~河内長野だけです。
関連記事:近鉄はどうやってできた?歴史をイチからたどってみた(前編)
それからしばらくは津駅に特に変化はありません。
伊勢電気鉄道の誕生
人流が増えてきた頃、三重県民はこう思ってました。

国鉄のルートはわざわざ亀山まで寄って、なおかつスイッチバック・もしくは乗り換えが必要でした。
※当時は伊勢鉄道伊勢線が無い
そこで地元密着型の地方鉄道として、津~四日市を真っすぐ繋ぐ鉄道を作ろうと立ち上がりました。
それが伊勢電気鉄道です。ここが名古屋線の原形を作りました。
こまけぇ話は置いといて、伊勢電はまず津~四日市までの路線を作ります。
ですが伊勢電の津駅は今、影も形も残ってません。
引用:Google Map
場所は、この辺。
津駅からは、ちょい離れてます。
理由は定かではありませんが、どうやら国鉄に対するヘイトがあったようです。




と、国鉄から不採用通知が出た事を根に持っているのか、津駅に直で繋げなかったみたいです。
1917年1月1日に、津市駅(部田駅)が開業しました。
突然現れる、参宮急行
1929年~1930年にかけて参宮急行は、桜井~宇治山田の路線を完成させました。
もちろん、これだけでは飽き足らず、参宮急行は名古屋へのルートを開拓しようとします。
この時には既に伊勢電は桑名まで延伸し、さらに養老鉄道まで手中に収めてました。
名古屋への免許もゲット済。
そこで参宮急行は仲間にしようと動きました。


と、あっさり提案を蹴られてしまったので、とりあえず自力で津駅まで延ばしました。
津まで延ばせば、一応名古屋までの足はあるのと同じです。
1932年4月3日に参宮急行の津駅が完成。これが今の名古屋線・津駅です。
伊勢電が倒れる
伊勢電は、無理な神宮への進出による経営悪化。
永田町のゴタゴタに巻き込まれてしまい、社長に有罪判決が出るなど、悪いことばかり起こってしまいました。
最終的には倒れ、参宮急行が伊勢電を吸収合併することになりました。
津駅までだった参宮急行は

ということで、津~江戸橋をさっさと作り、江戸橋で乗り入れることに。
それ以降、伊勢電が作ったいた江戸橋~部田(伊勢電・津駅)~新松坂~大神宮前は完全にサブ扱いになりました。
しばらく路線は残ってましたが、戦争で一部が廃止に。その後に全て破壊されることになりました。
そして1961年に伊勢電・津駅(部田駅)は廃止に。
こうして今の津駅となりました。
「津」とは何ぞや
さて、ここで「津」という地名についてお話しときます。
「津」とは、船が停まる所などの船着き場や港という意味です。
これについては、広辞苑に掲載されてます。
万葉集にも船着き場と言う意味で使用されてました。
第19巻4246番歌「沖つ波辺波な越しそ君が船漕ぎ帰り来て津に泊つるまで」作者不詳
参考:万葉集ナビ
津には立派な港があったのですが、1498年の東海地震(明応地震)で崩壊しました。
推定マグニチュードは8.2~8.4だと言われてます。
ちなみに、滋賀県大津市も地名の由来は同じようなもん。水運の要所だった事が理由です。
津駅周辺はまだまだこれから
引用:Google Map
津市は三重県の県庁所在地ですが、人口は2位の市。
さすがに四日市市を追い抜くポテンシャルは持ってませんが、底力は持ってます。
近鉄が最強
現在、津駅には3社が集結。
この中で、もちろん利用者数トップは近鉄です。
三重県統計書によると、2019年の1日平均乗車人員は
近鉄 | 15,689人 |
JR東海 | 3,609人 |
伊勢鉄道 | 1,690人 |
圧倒的に近鉄が多いです。
理由は簡単で、近鉄の利便性が良すぎるから。
- 特急が停まる
- 運行本数や頻度が多い
- 県内観光地ルートが充実してる
というわけで、津駅周辺に勤務する人。市外へ出掛ける人、どっちにとっても便利なので利用者数が約5倍も違うのでしょう。
無くはない、見どころ
津駅は、県庁所在地の中心駅なだけあって、観光目的でやってくる人は皆無に等しいでしょう。
ただ、何もないことはなく
これらが駅の西側にあります。
駅周辺の整備が計画されている
津市は津駅周辺の整備計画を発表しています。
主な内容は
- 東西連絡通路の整備
- 津駅北の踏切道、拡張(JR)
- 津駅前(東側)の歩道を拡張
- バスなどの乗降スペースの再整備
国道23号線にぶちあたる直線道路を1車線ずつ削って、スペースを広げるそうです。
引用:Google Map
デジタルの案内看板を置いたり、植栽や街灯の設置を考えているんだとか。
東西の行き来も結構不便で
- 地下通路を通る
- 歩道橋を通る
- 南の踏切を渡る
この3ルートしかありません。駅内で東西の移動は改札があって不可能です。
ですので、駅に自由通路を作る予定になってます。
そして津駅の北側にある、狭い踏切道の拡張工事。
北側はJRが踏切で、近鉄は高架となってます。
引用:Google Map
こっちは現在、工事中・・・2024年以降に完成予定です。
参考:大谷踏切の拡幅(PDF)
と、まだまだ変身を残している状態のようです。
整備計画の完成がちょっと楽しみ・・・(?)
まとめ:津駅は駅が先。街が後だった
津駅は津市の本当の中心街からは外れてました。
本来は津新町駅の方が近かったようです。
ですが“中心駅”として君臨してるだけあって、駅周辺が後から付いてきましたね。
津駅の立地は良く、北は四日市。南は伊勢市までなら特急料金520円で移動できます。
急行でも便利な位置で、1時間以内に桑名・鳥羽まで行ける便利な場所です。
駅から5分圏内でも、ワンルームなら5万円ほどで借りれる部屋があるみたいで、なかなかオススメなエリアだと思います。
それでは今回はこの辺で・・・またの。
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