引用：Google Map
大阪上本町駅は近鉄でも1番規模の大きな駅なのですが、規模が縮小となります。
地上ホームの1面1線をなくして、バスターミナルとの連絡通路になる予定です。
今回はそんな大阪上本町駅の最新情報や、なぜこんな中途半端な所に起点駅を置いたのか。
駅の立地や歴史などをまとめました。
大阪上本町駅のリニューアル工事で順位が落ちた
近鉄は2023年10月2日、大阪上本町駅をリニューアルするというニュースを出しました。
参考：大阪・関西万博会場へのアクセス向上に向けた取り組みについて（PDF）
これにより3番線が無くなります。
頭端式ホームの規模ランキング
大阪上本町駅の地上ホームは頭端式と言います。
工事前の段階では7面6線で、日本で単独3位の大きさです。
この地上駅からは大阪線の車両しか出ないので、1路線で絞れば単独1位でした。
つまり、リニューアル工事で単独3位から同率3位に落ちるということ。
1路線の頭端式ホームとしても単独1位から同率1位になります。
大阪上本町駅の地上ホームはどうなる？
引用：大阪・関西万博会場へのアクセス向上に向けた取り組みについて（PDF）
3番線がこうなります。
また4番線とは対面で入れるように改札口を設置。
シェラトン都ホテル大阪から直接通れるように、新しい出入口が設置される予定です。
上本町バスターミナル
引用：大阪・関西万博会場へのアクセス向上に向けた取り組みについて（PDF）
停車スペースは3つに増強。
1つは今も運行している、伊丹空港へのバスです。
2つ目は万博会場行きのシャトルバス。
そして3つ目は貸し切りバスの発着場として運用する予定になってます。
大阪上本町駅の歴史。立地の経緯や駅の変貌
大阪の私鉄は大抵、梅田や難波に集まってます。
例外として京阪は淀屋橋ですけどね。
なぜこんな所に駅を置いたのか、その理由を調べてみました。
上本町（通称、上六）
引用：http://yagijijii.com/google/concentriccirclemap.htm
上本町駅から2kmの範囲が赤線です。
近鉄奈良線が開業した当時はまだ地下鉄がなく、大阪市の中は路面電車が走ってました。
上本町6丁目にもちょうど路面電車の駅があります。
そして上本町の位置は大阪市でも中心部、東部の玄関口でした。
ということで上本町6丁目にターミナル駅を置く事にしたのです。
上本町は結構重要な所
なぜ上本町が選ばれたのか、その理由は
この大阪城が上町台地の北端で、そっから南へ台地のような地形があります。これが上町台地。
引用：地理院地図
地理院地図の色で分かる標高図です。
十字のポイントが大阪上本町駅。
そういや四天王寺とかはどこにあるのか、というと上町台地の上です。
地盤がしっかりしているし、水害にも強いため、お宮や寺が腐るほど置かれました。
そんな歴史的な経緯から、大阪市の基礎は、この上町台地だったのです。
その中でも中心部が上本町でした。だから近鉄（大軌）は上本町6丁目に駅を置いたんです。
最初は2面2線の小さな駅だった
上本町駅は1914年4月30日に開業しました。
当初は現在の近鉄奈良線だけだったので、2面2線プラス貨物用ホームでした。
近鉄大阪線ができたくらいには5面6線になりました。
1951年には6面7線に。
1956年、9面8線となりました。
この時期に布施～上本町間は奈良線と大阪線を完全別にして、複々線にもなりました。
それに合わせて駅を拡張してますね。
近鉄難波線の完成で一部が地下に
地上9面8線でしたが、現在は地上7面6線ですね。
2面2線分がそのまま地下ホームに移動して、奈良線・難波線の駅として運用されてます。
わざわざ無駄な分を無くすにしても、それはそれでお金がかかる。
転用するものが決まってなければ意味がないから、今日まで7面6線のままだったのです。
阪神なんば線の開業により、駅名を変更
それまでは「上本町」だけ。
近鉄と阪神の直通がかなった2009年3月20日に合わせ、駅名が変更となりました。
難波も大阪難波に変更。
駅の知名度向上を狙っての変更です。
参考：近鉄ニュースリリース
大阪上本町駅のちょっとした話
- 私鉄最長クラスの営業距離列車（特急以外）
- 乗り換え案内あるけど面倒くさい
1つは大阪上本町と鳥羽を結ぶ定期列車です。
営業キロは150.4キロ。こんなん特急で走るべき距離ですね。
これが快速急行で運行されているんだから、そらネタにされる。
この鳥羽行き快速急行に乗った場合、大阪方面は名張までしか戻れません。（平日・土休日どちらも）
ですので完全乗車をする場合は、予定の組み立てに注意してください。
大阪上本町に到着する前には、近鉄奈良線との乗り換えが案内されます。
理由は単純、移動が面倒臭いから。
鶴橋なら対面で乗り換えられるし、鶴橋は全列車が停車するので、上本町で乗り換える必要はありません。
大阪上本町には何がある？近鉄の町「上六」を紹介
引用：Google Map
大阪上本町駅の周囲には近鉄グループの建物や土地があちこちにあります。
その筆頭が、近鉄百貨店ですね。
近鉄百貨店の本店は大阪阿部野橋駅の方ですが・・・あっちは元々、南大阪線を所有していた大阪鉄道の百貨店でした。
近鉄グループ
近畿日本鉄道の本社、近鉄グループホールディングス本社
他にも近鉄が所有している土地があり、開発工事中の所もあります。
近鉄GHDは自社が持っている土地や建物を利用して、今後増加が見込まれる観光客に対応するために、大阪上本町駅の周囲は再開発する予定です。
- 交通ハブの整備
- 観光案内サービスの設置
- 象徴的な建物を作り、新名所に
- ビジネスに使いやすいホテルの整備
- 都市型エンターテイメント施設を充実させる
このような中長期計画を近鉄GHDは発表してました。
参考：近鉄グループホールディングス株式会社・新「近鉄グループ経営計画」（PDF）
文教地区・上本町
引用：Google Map
大阪上本町駅は専門学校や高等学校が近く
私立の清風や上宮、明星学園の最寄り駅です。
府立高校は高津高等学校がありますが、鶴橋からも徒歩圏内です。
大阪府立堺支援学校大手前分校もあります。
で、駅の周りには予備校が乱立中・・・
文教地区みたいになってます。
生國魂 神社
引用：Google Map
別称は、
地元の人からは「いくたまさん」と呼ばれてます。
できたのは神武天皇が即位する前くらいです。
生國魂神社の生國魂祭りは、大阪三大夏祭りの1つと言われてます。
あと2つは天神と住吉
縁結び・縁切り・芸能・商運・金運と色々と御利益のある神社です。
まとめ：大阪上本町駅は現代目線だと謎な位置だけど実は一等地だった
引用：Google Map
今の目線で見ると、なんか中途半端な位置ですけど
難波にも天王寺にも近く、歴史的に見れば実は中心地だった事が分かりました。
近鉄奈良線の開業時はまだ路面電車だった事もあり、上本町まで電車。そっから路面であちこち人が流れていたのでしょう。
今は大阪メトロ谷町線ですけどね。
駅の周辺は学校もあるし、近鉄関連の建物もニョキニョキ生えてます。
そんな事もあって、上本町の利用者数は4位の多さ。
近鉄GHDは駅周辺の再開発を進めている途中です。
果たしてこれからどんな感じになるのやら・・・
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