撮り鉄の鉄道ノート

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近鉄長島駅、ライバル駅と近すぎ。なぜこんな所に?

近鉄長島駅、ライバル駅と近すぎ。なぜこんな所に?

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今回は近鉄長島駅です。前回はライバル駅と1番遠い、八尾駅の話をしましたね。

>>近鉄八尾駅とJRの八尾駅が1.7km離れている理由

近鉄長島駅は100mを切る、93mしか離れてませんでした。

近鉄長島駅の出入り口を出て、踏切を渡れば、その先に見えます。

なぜこんなにも駅が近いのか・・・その理由などなど、お話していきます。

近鉄長島駅とJRの長島駅、なんでそんなに近いねん

近鉄長島駅とJRの長島駅、なんでそんなに近いねん

ざっくり解説すると

  1. 伊勢電気鉄道が桑名~名古屋の延伸を計画
  2. 伊勢電、参急との戦いでお金がない
  3. 国鉄が古い鉄橋を手放そうとする
  4. それ再利用すれば良くね?と思い、手に入れる
  5. 無事に免許も降りる

というわけです。

つまり、伊勢電が名古屋への延伸工事を節約しようと思ったのが大きな要因。

伊勢電気鉄道VS参宮急行電鉄

伊勢電の始まりは1915年、高山本山~白子を開業させます。

最初は津と四日市をまっすぐ繋げる、地域密着の小さな鉄道会社のつもりで始まりました。

参宮急行は1930年12月に近鉄大阪線が全通します。

もちろん、全通する前から伊勢電は参急の動きが見えているので

あんな大阪から来たポっと出に負けるワケにゃイカンやろ

と、イケイケ状態でした。

当たり前ですが、資金をジャブジャブ使ってました。

伊勢電は参宮急行と同時期に、桑名~大神宮前(外宮のすぐ近く)まで鉄道を通してました。

伊勢電は桑名で満足してません。桑名から先、名古屋への延伸を目指していたのですが・・・

桑名と名古屋の間は大きな川が3本もあり、地盤が柔らかく、とても工事が難しいところでした。

社長!今の資金で、この川を超える工事をするのは無理っす

俺が何とかする

伊勢電の熊澤社長は、国鉄がすでにかけていた桑名~弥富の橋を作りなおすことに目を付けて、今でいう国土交通大臣(鉄道大臣)にお金を渡します。

このお金の渡し方が良くなかったかどうかは分かりません。

伊勢電が古い橋脚をゲットする

これで伊勢電は桑名から名古屋へ鉄道を通す準備ができます。

国に免許を出してもらい、さぁ鉄道を引くぞ!というところで・・・

前の鉄道大臣、汚いカネ貰ってたよね

関わった人、全員逮捕しようぜ

永田町の足の引っ張り合いに伊勢電の社長、熊澤が巻き込まれてしまいます。

ちなみに参宮急行の金森も巻き込まれますが、金森は無罪。熊澤が有罪判決をくらいます。

この一連のゴタゴタはかなり怪しいですが、今となっては真相は闇の中ですね

というわけで、国鉄の橋を再利用したために近鉄とJRの桑名~弥富間はほぼ同じところを通っているのです。

伊勢電、経営破綻へ・・・

伊勢電は社長の熊澤を事実上失います。

さらに1930年、昭和恐慌が日本を襲い、伊勢電はどんどん追い詰められていく。

1932年、熊澤は辞任。さらに養老鉄道の一部が国に差し押さえられてしまいます。

お金を返せない代わりですね。

お金返せないなら、お前らの鉄道の一部、もらうから

って感じ。もらうというか、持ってる人の名前を変えるだけです。

ですので、使えるけど売る権利がなくなります。

伊勢電は最後っ屁で、桑名~大神宮前間で2種類の特急を運行させますが、もう経営はギリギリ・・・

1936年に伊勢電気鉄道は、参宮急行電鉄と合併し、その名前が世の中から消えてしまいます。

伊勢電を狙っていた名鉄

伊勢電は名古屋に鉄道を持っていた名鉄も目を付けていました。

伊勢の神宮まで伸びる路線は当時、超ドル箱路線なのでどの会社も欲しがってました。

いよいよ伊勢電がヤバいぞ、って時に参宮急行が取るか名鉄が取るか・・・どうやらギリギリだったようです。

謎の強運が発動したのか、伊勢電のオワコンが少し早かったことが参宮急行に傾きました。

参宮急行電鉄が子会社を設立

参宮急行は伊勢電の合併やら大阪線、山田線の工事で頑張り過ぎたのもあって、残りの桑名~名古屋は子会社にやらせることにしました。

鉄道業界の裏ワザですね。カネがねぇなら子会社にやらせて、あとで自分のモノにする。

そして、関西急行電鉄が設立します。

伊勢電が果たせなかった名古屋進出は関急が果たし、名古屋~大神宮前が繋がりました。

そう、この時実はまだ名阪は乗り換えないと行けなかったのです。

まぁその話はまた別の話なんで、今回はスルーします。

長島地区の駅はどこに置こう

長島地区の駅はどこに置こう

いわゆる長島地区は、川に挟まれた中洲の部分のほとんどを指します。

一部は愛知県安西市です。

鉄道が通ってる部分の幅は約2.2km・・・となれば、駅は真ん中あたりに置くのがセオリーでしょう。

真ん中よりは桑名側にありますが、多分理由は2つ

  • 人家の多い所に少しでも近い
  • 道路が通っていた

以上が理由かもしれません。

国土地理院地図

国土地理院地図1961~1969年航空写真

近鉄長島駅は1938年に開業してますが、その差でコレです。

ま、勝手な想像ですが仮説は当たってるかと思います。

近鉄長島駅、運賃値上げでどうなる

近鉄長島駅、運賃値上げでどうなる

長島駅はほぼ同じ場所。しかも桑名と名古屋に関しては場所一緒。

だけど来年4月からは近鉄が運賃値上げします。

仕方がないとはいえ、多少はお客さんが逃げそうですね。

近鉄長島駅の利用者どうなる

2019年の近鉄長島駅、1日平均利用者数は1665人

同じ年の長島駅は570人でした。(三重県統計書)

3倍くらい違いますが、停車駅の少なさや列車によっては近鉄より早く名古屋に行けることで、利用者が増えてきているようです。

そして、運賃は来年このようになります。

長島から近鉄(運賃改定後)JR東海
名古屋490円330円
桑名240円190円
四日市430円330円

かなり運賃に差が出ますね。

ですが、近鉄の方が運行本数が多いという点で、まだ便利さではギリギリ勝てる・・・かもしれません。

まぁ、四日市に関しては駅の場所が違うので比較するべきかどうか微妙ですが。

平日7時台の運行本数は、こうなってます。

どちらも桑名方面の方が少なく、名古屋方面の方が多かったです。

ですので、時間の都合が合えばJRを使った方が安く移動できるでしょう。

ちなみに、名古屋までの時間は

でした。関西本線は駅数が少ないので、単線区間があってもかなり速いですね。

来年の値上げは、少し近鉄からお客さんが離れそうです。

近鉄長島駅近鉄が推してるワケではない

そもそも長島地区の観光地、なばなの里とかナガシマスパーランドとかは・・・

桑名からが便利でっせ

このように近鉄がアナウンスしています。桑名は特急が停まりますし、系列の三重交通バスも出してます。

というか、そもそも長島駅からの足がないのです。

冬の時期だけ、長島駅からなばなの里直通のバスが出ますが・・・それだけ。

それに合わせて、急行が長島駅に臨時停車することがあるみたいです。

なばなの里の冬のイルミネーションはとても映えるので、告白スポットとなってますね。

私の友人は、あっこでプロポーズしたそうです。(どうでもいい情報)

長島は案外、中途半端なところ

桑名は隣なので近いんですが、名古屋までは準急で30分弱

四日市までも準急で30分弱かかってしまいます。

どちらに対しても通勤圏内ですが、ちょっと時間がかかるエリアですね。

しかも、どっちつかずな距離・・・

ですので、近鉄からしたらあまり重要度の高くない駅なのかもしれません。

まとめ:近鉄長島駅とJRの長島駅、近いのは伊勢電のせい

伊勢電は桑名から名古屋まで鉄道を通そうとしたんですが、資金難だったので国鉄が手放す橋を再利用して節約しようと考えました。

これが桑名~弥富間の並走につながりました。

同じような理由で弥富も近くなってます。(ただしランキング4位)

長島と弥富の間には、御所と八田があります。

詳しくはこちら→>>近鉄〇〇駅と競合駅、どれだけ離れてるの?ランキング

ほぼ同じ場所で、しかも近鉄の運賃が来年に値上げしてしまうので、特に長島は近鉄からお客さんが流れていってしまいそうですね。

もう眼中にないよ

と、言いそうですけど・・・実際のところはワカリマセン(笑)

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