引用:Google Map
今回もリクエストされた駅です。
テーマなしで伊賀上津が出ました。
書く事あるんかいなと思ったら、そうでもなかった。
要因の1つは、伊賀地域の駅をまだ1つも書いてなかった事ですな。
伊賀上津駅の成り立ち。駅名の由来は何じゃいな?
引用:Google Map/Shintaro Muraseh(SM-SYaKo)さん
まずは伊賀上津駅の事から。
駅の歴史やスペックについて軽く触れてゆきます。
伊賀上津駅
1930年 | 開業した区間 |
2月21日 | 長谷寺~榛原 |
10月10日 | 榛原~伊賀神戸 |
11月19日 | 伊賀神戸~青山町/榊原温泉口~伊勢中川 |
12月20日 | 青山町~榊原温泉口 |
できた所から順次開業していったようで、青山町~榊原温泉口間は最後にできました。
その中でも唯一まともに人が居るのが伊賀上津駅ですね。
開業時は「参急上津駅」でした。
参宮急行が大阪電気軌道と一緒になるタイミングで「伊賀上津」に。
複線化を経て、今に至ります。
駅の設備環境
伊賀上津駅は2面2線の一般的な駅構造ですが、出入り口は南側の上りホーム側だけ。
構内踏切で行き来ができます。
- 改札×
- 待合室×
- トイレ×
- スロープ○
簡素な駅となってます。トイレは以前までありましたが、2020年3月9日で閉鎖しました。
近鉄大阪線で、最も定期列車の停車数が少ない駅の1つです。
- 下り青山町までの列車が複数ある
- 上りの中川~東青山の普通がある
ということで、伊賀上津は西青山と同様、定期列車が最も少ない区間になってます。
西青山は逆に何もなさすぎてネタにされるけど・・・伊賀上津は中途半端で、全然注目されない駅ですね。
三重県統計書によると、1日平均100人の乗降人員があるようです。
「上津」の由来は何?
エリア的には「青山エリアの上津地区」に入ります。
伊賀市の前は青山町でした。
青山町の前は上津村です。
引用:Google Map
上津村のエリアは、こんな感じ。
ほとんど山ですけどね。
さて「上津」ですが、漢字を分解すると上と津。
"津"には複数の意味があって、今回の場合は「水の湧き出る所」という意味と考えられます。
伊賀上津駅の近くに流れている川は、木津川と青山川です。
この2つの川の源流は青山峠で、この先はまともに人が居ない。
青山側は木津川に合流し、木津川は京都の木津川へ繋がり、最終的には淀川→大阪湾へ。
以上の事から「上の津」と書いて「上津」ではないかと思います。
ちなみに他にも色々と読み方が合って、同じ「こうづ」読みは神戸市北区長尾町。神戸三田の山の方です。
あっちは長尾川があり、最終的には武庫川となってます。
参考:コトバンク
城跡だらけ。伊賀上津駅の周りには何があった?
引用:Google Map/Fk Hidekiさん
マップを見るとあちこちに城跡がありました。
掛田城跡、新氏城跡、甚二郎城跡、西尾氏城跡・・・
これらは一般的な「お城」というイメージとは全く違っていて、中世城館といいます。
中世城館って何や?
中世城館というのは、その土地を治めるリーダーとか武士が住む家でもあり、戦の時に指揮を取る場所として機能するものです。
館の周りには堀を作ったり、石を積んで壁を作ったり
簡単に周りから攻められない、大きめの屋敷といった感じです。
そういった形の家は今でも残っているものがたまにあって、普通に人が住んでるものもあります。
参考:現存する貴重な中世城館
なぜ中世城館が乱立しているのか。忍者との関係
伊賀地域は水が豊富で、土壌も良いので農業が発展してました。
- 農地が良いから人が集まる
- 農地の管理をする人が出てくる
- 大名が牛耳る前に多くの勢力が入り乱れた
- それぞれの地域のリーダーが小さな城を持つ
- 少人数の兵隊みたいなのができる
- これが後に伊賀忍者と呼ばれる
伊賀上津あたりは全然位置が違いますが、伊賀は400万年前に琵琶湖の元祖があったらしい。
元祖「琵琶湖」が地形変動で北上して、今の形になったそうです。
そんな大昔の変動などの関係で、伊賀地域(上野エリア)は良質な米を育てられる環境になりました。
初瀬街道
近鉄大阪線は伊勢へのルートの1つ、初瀬街道に沿って作られました。
伊賀上津駅のあたりにも初瀬街道の宿場町があり、その宿場が「伊勢地」です。
引用:Google Map
主なエリアは赤丸の部分。
引用:Google Map
中の小さい丸には「太神宮常夜灯」があります。
伊賀上津駅の周り、何がある?今後はどうなっていくのか
伊賀上津駅は大阪線第2の秘境駅?(東青山の方がヒドイか?)なので
と思ってました。
ですが初瀬街道の宿場町だった事もあって、スッカラカンではありません。
しかも産業エリアや私立高校もあるし、案外駅の周辺にアレコレある地域です。
伊賀上津の産業エリア
駅からは徒歩25分くらいかかる場所に産業エリアがあります。
- 丸味食品
- ユニテクノ本社
- 日本コルマー伊賀工場
- ダイジェット工業三重事業所
- BorgWarner Morse Systems Japan
- LIXIL 青山サービスパーツセンター
これらが集まってます。アクセスが悪いので駐車場が広いです。(笑)
搬入搬出ルートとしては新・初瀬街道の国道165号線。
津市の方へずーっと走っていくと、久居インターチェンジに入れます。
伊賀コリドールロードを使うと、名阪国道の上柘植インターチェンジに。
高規格道路まで距離はありますが、べらぼうに物流の悪い地域ではありません。
回廊と言う意味。
伊賀をぐるっと回れる環状道路です。
神村学園高等部伊賀校
引用:Google Map
私立神村学園の高校です。神村学園という学校法人自体は鹿児島にあります。
ですが、中国四国エリア、近畿や首都圏にも学校を持つ学校法人です。
伊賀校は、単位制・通信制高校。
通信制の良さもありつつ、学校に通うコースもある、結構柔軟な学校です。
激押しはしませんが、様々な事情を抱えている人にとって神村学園は良い環境でしょう。
ちなみに、大阪梅田や京都四条烏丸にも通信課程の学校があります。
当然ですが、ちゃんとした学校なので大学に進学できます。
参考:学校法人神村学園
学校の横にある、比々岐神社
引用:Google Map
創立は不明ですが、一説には西暦701~703年頃にできたといわれてます。
かつては上津八幡宮(うえつはちまんぐう)と呼ばれてて、120石の領地を持ってたそうです。
一石=100升=1000合のこと。
そんだけの米が採れる土地を管理してました。
一石とは、1人が1年間で消費するお米の量だと言われてます。
つまり120人食わせられるだけの領地を持ってたみたいですね。
現代じゃ違和感がありますが、昔は寺社や武士が地主だったのです。
伊賀市は放置気味な「上津地区」
伊賀市の中心駅は上野市駅(伊賀鉄道伊賀線)ですし、市内で最も利用者数が多い駅は伊賀神戸駅です。
まだ青山町は伊賀市青山エリアの中心なので、伊賀上津駅の周辺は
と、完全に後回しです。
一応コミュニティバス(青山行政バス)を走らせていて、行き先は青山複合施設「アオーネ」
- 役所
- 図書館
- 市民センター
これらを一カ所にまとめてます。
反対方向は「滝」と言う所で、駅の北東の方です。
引用:Google Map
まとめ:伊賀上津駅のあたりは、かつて宿場町として栄えてた
今では完全に「田舎」という感じですが、初瀬街道を通って伊勢へ行く人にとっては大切な町でした。
なんせ青山峠を越える前の宿場町ですから、多くの人が利用していたことでしょう。
現在は産業エリアを抱えて、電車の利用者数は少ないものの、伊賀上津駅の圏内に人が働きに来ているようです。
私立の通信制高校もあり、そこまでスッカラカンな地域ではないみたいで、個人的にはイメージをぶっ壊されて"ビックリ"しました。
今回はこの辺で・・・またの、またの。
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