引用:Google Map
- 全線単線
- 全部で3駅
- 使用編成が1台
- 少なくても1時間に2往復
とまぁローカルっぽい路線ですが、実は近鉄が今所有している路線の中では1番古い歴史ある路線なんです
今回は、そんな陰が薄いようで重要な路線、道明寺線を取り上げていきます。
近鉄道明寺線の歴史
道明寺線は、近鉄の中でも最古で1898年開業で、古市までも同時開業です。
もうちょっとの差で古市~富田林まで開業しました。
ちなみに、現存の近鉄路線で次に古いのが1912年の吉野線です。
詳しい近鉄の歴史はこちら→>>近鉄はどうやってできた?歴史をイチからたどってみた(前編)
河陽鉄道が作った
河陽鉄道は今の関西本線(大和路線)の柏原駅から富田林までを開業させました。
この時、もう大和路線は完成してて、同時期に南海高野線の堺東~河内長野を開業。
河陽鉄道の登場で、河内長野市・富田林市・羽曳野市・藤井寺市・柏原市・八尾市を行き来しやすくなりましたね。
河内長野への延伸は、ちょっと時間かかっちゃったんですが・・・
それはどうも経営状態が良くなかったとか
裏ワザを使用した河陽鉄道

とまぁ、謎の借金回避?を行って、河陽鉄道は解散。河南鉄道に経営が移りました。
当時の会社法とかよー知らんので個人的には

が正直な感想です。
河南鉄道ブチギレ

とブチギレしました。どうやら国鉄から何か嫌なことを言われたようです。
道明寺線が完成してる時にはもう大和路線は、国有鉄道化されていて

と偉そうにしていたんだと思います、多分(笑)
河南鉄道は国鉄の態度にブチギレ、自社で大阪市まで路線を伸ばそうと計画し、実行することに。
これが後の近鉄南大阪線となります。
道明寺や古市で南大阪線が急なカーブを描いてるのは、そういう事。
→近鉄南大阪線のルート設定「なんでそんな所通すねん?」を解きほぐす
こちらでも解説しています。
本線を支線へ降格
道明寺から大阪阿部野橋へ伸ばした事で、今の道明寺線を支線へ降格する事にしました。
その後、古市から橿原神宮前まで開業させたのは1929年のこと
この時にはもう橿原線も吉野線も開業してたんですが、それぞれが別の会社で、まだ1つの私鉄としてまとまってません。
その辺のイザコザもなかなか面白いですよ。
イザコザのやり取りはこちらで(笑)→>>二上駅と二上山駅が近い件。激しい鉄道会社の争い跡
線路幅のブーム
日本に鉄道が入ってきた時は、狭軌(1067mm)が流行りだったようです。
理由はいくつかあって、1番デカいのは貨物。
貨物を効率よく運ぶなら狭軌がよく、しかも山が多い日本はカーブに強い狭軌を選択するのがピッタリなんですよね。
線路幅が広くなる=全体重量が増える事に
だから運搬エネルギーがより必要になってしまう
しかも狭軌は、カーブ半径をより小さくできるようです。

後で標準軌がブームになったのは、どうやら京急が火付け役だったようです。
たしかに、線路幅が広い方が安定性は高まるし、その分速度も出せます。
だけど、車体がデカくなる分、全体の重量が上がるし、あまりキツイカーブにする事ができない。
というわけで車体のスぺック的にも、地形的にも日本は狭軌が合ってたんでしょう。
近鉄は3種類の軌間がある
日本で採用されてる線路幅は4種類あって、そのうち3種類は近鉄グループで見ると持ってる事に。
狭軌は南大阪線・道明寺線・長野線・御所線・吉野線で使われてます。
もう1つがナローゲージと言われてる線路幅で、四日市あすなろう鉄道が持ってます。
四日市あすなろう鉄道の株75%を近鉄が持ってるんで、近鉄グループで見ると3種類持ってると言えますね。
あと1つの線路幅は、通称「馬車軌間」の1372mmで、狭軌よりも広くて標準軌よりも狭い線路
コイツを使ってるのが京王とか都営新宿線らしいです。あっちの方はよく知らんので、この辺にしときます。
近鉄道明寺線のいま
気付いたら支線化されてしまい、古市・富田林とまっすぐ繋がってた路線は引きちぎられる事に。
一応、渡り線があって繋がってるっちゃ繋がってますが
南大阪線に直接入る、定期列車はありません。
ローカルっぽいわりに利用者は多い
2018年11月の調査で、柏原駅の利用者数は1日6400人ちょい居たようです。
この人数は、特急が停まる尺土の4348人よりも1.5倍くらい多いですね。
なんといっても、藤井寺市と八尾市をショートカットできる路線ってのが売りで、通勤通学によく利用されてるみたいです。
柏原駅でJRと対面乗り換えできる
ホーム上にICカードをタッチする機械が置いてあり、これを忘れると駅出れないし、JRに乗ってしまうとエラーが出ます。
ちょっと面倒なんですが、中間改札を必ず通さないといけないんですよね。
でも降りたホームで天王寺方面行きの電車に乗れるんで、ラクっちゃラク。
ただし大和路線の柏原駅は普通しか停まらんし、接続はそんなに良くないです。
柏原駅は近鉄大阪線・堅下駅に近い
堅下駅との距離は徒歩ルートで480m・6分ほどです。
だけど通常は通算処理してくれません。定期券だけ徒歩乗り換えが認められてる、ちょっと特殊な駅ですね。
ちなみに、南大阪線と大阪線の間が1番近いのは、二上と二上山です。
関連記事:>>二上駅と二上山駅が近い件。激しい鉄道会社の争い跡
当然ですがこの2駅を徒歩乗り換えしようが、どうしようが通算してくれません。
新大阪・極楽橋(近鉄経由)乗り入れ構想は夢
道明寺線のホームから直接、南大阪線に入れるようには出来てません。
支線に降格した時に配線を色々と変えたってのに、また色々と追加したり破壊したりと大変なんですよね。
道明寺線直通すら大変な状態になっちまってるし、JRや南海とも繋げるとなると、更にやる事が増えます。
線路幅・電圧は同じなんですけど、保安装置の問題があるんですよね。
なので、新大阪・極楽橋への直通運転構想は、近鉄経由は可能性なしと言っても良いでしょう。
なにわ筋線ルートなら、まだあるかもしれませんね。
個人用の踏切がある
引用:GoogleMap
道明寺線には踏切が3か所あるんですけど、その内1つは個人の家にしか繋がらない所があります。
この踏切は勝手踏切とかではなく、ちゃんとした第1種踏切なんですよね。
第1種踏切というのは、装置が全部付いている、いわば全自動の踏切の事。
こんな踏切で、かつ行き先が個人の家しかないような所は、日本中探せば他にもありますが、近鉄ではココだけだったと思います。
大阪なら阪急宝塚線・豊中市刀根山3丁目1あたりにあります。結構デカい踏切ですが、個人宅にしか繋がってません。
まとめ:近鉄道明寺線は降格されても頑張ってる
道明寺線は近鉄が今持ってる路線の中では1番古い鉄道路線で、元々は本線でした。
そして最初は古市も含めて開業しています。その後、今の長野線として延びていきます。
古市駅の記事はこちら→近鉄、最古参の駅の1つ『古市駅』で見られるKTクオリティとは
だけど、大阪阿部野橋まで延伸する時に支線へ降格処分
今や1編成だけで頑張ってるローカル路線ですが、ラッシュ時は多くのお客さんを運ぶ重要な路線です。

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