撮り鉄の鉄道ノート

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当麻寺駅と當麻寺、なぜ表記が違うの?その理由は・・・・・

当麻寺駅と當麻寺、なぜ表記が違うの?その理由は・・・・・

引用:Google Map

Twitterに、こんなリクエストがありました。

「寺の名前や町の名前は『當麻』なのに、なんで駅名は『当麻』なの?」

というわけで、当麻寺駅(たいまでら)についてアレコレ調べてみました。

ちなみに、当記事で出した結論は、あくまでもワイの推測です。

<<二上神社口
磐城>>

当麻寺駅はナゼ地名とは違う簡単な漢字を採用したのか

当麻寺駅はナゼ地名とは違う簡単な漢字を採用したのか

引用:Google Map/山本真一郎さん

当麻寺駅はあまりスポットライトを浴びてない當麻寺の最寄り駅です。

ちなみに駅の住所は、奈良県葛城市當麻

このように駅名と寺や地名の漢字が違います。

確かに何でやろね?

というわけで、適当に調べてみました。

駅名の特徴・制限

駅名に使用される漢字は、特に制限がありません。

ですが、駅名は正式な表記よりも読みやすさを優先するトレンドだったようです。

  1. 最初の頃は、平仮名だった(国鉄
  2. 平仮名だけだと、わりと読みづらい
  3. というわけで漢字表記にした

こういう流行だったことがあって、大阪鉄道(南大阪線を作った会社)は「当麻寺」と表記したのだと考えられます。

ちなみに「當」は「当」の旧漢字で、読み方は「トウ」「あ(たる)」です。

参考:笹塚駅の「塚」の字に「余計な点」があるワケ 鉄道会社で「こだわり」に差も?

地名に使用される漢字に縛りはあるのか

次は地名です。地名に使って良い漢字に縛りはなく、常用漢字である必要はなし。

そもそも、都道府県で使用されている漢字に常用漢字でないものは、いくつもあります。

逆に、常用漢字に変えても良いよって文化庁が通達?を出してました。

参考:固有名詞(地名表記を中心として)と国語施策との関係について(PDF)

まとめると・・・

  1. 地名にも駅名にも漢字に制限はない
  2. だけど、駅名は読みやすさ優先が流行り
  3. 旧漢字の部分だけ新漢字に変更

ということで、地名や寺は本来の漢字で「當麻」

駅名は読みやすさを優先して「当麻」とした。

これが、寺院や地名と駅名が違う理由でしょう。正しいかどうかは知らん。

當麻寺ってどんな寺?

當麻寺ってどんな寺?

引用:Google Map

当麻寺駅周辺の見どころと言えば、當麻寺です。

わざわざ寺の山門から真っすぐの道の近くに駅を置くほどなので、大阪鉄道は観光客の取り込みを狙って駅を作ったんでしょうね。

當麻寺ってそんなに凄い所なの?

国宝がゴロゴロある當麻寺

これ国宝やぞ!

と見せびらかすように置いてない、日本最古の鐘が當麻寺にあります。

他にも日本最古のものがあって、石製の灯ろうもそう。

東西にある三重塔もメチャクチャ古いらしい。東の方が古くて、奈良時代にできてます。

しかも建て直しではないんだとか。

塔といえば京都の五重塔(東寺)が有名ですが、4度ほど焼失してます。

それでも今のものは1644年に再建されていて、ボチボチ400年になりそうなくらい。

そして、塔が2つとも現存しているのは、當麻寺だけです。

参考:當麻─葛城市

ちなみに、国宝がある寺は全国で193カ所。

全国の寺は15万3000とか言われてます。ですので0.1%ほどしかありません。

奈良県に絞ると、国宝がある寺は24カ所だけ。そのうちの1つが當麻寺です。

色々と珍しい當麻寺

まず、珍しいのが真言宗と浄土宗、2つの宗派が一緒になっている寺だということです。

こういう寺は珍しく、ほとんど無いらしい。

ケンカするって訳じゃないけど、共存するのが難しいから、基本的に1つの寺に対して1つの宗派です。

ただ、當麻寺は歴史的な経緯自体が特殊で、共存といっても同じ場所に2つの宗派があるだけ。

あれもこれも一緒に活動しているワケではありません。曼荼羅堂だけ共同管理です。

ホームページすらバラバラで、メインの部分と奥院と言われる部分は分かれてます。

奥院の部分が浄土宗です。

當麻寺

そして、當麻寺の本尊もちょっと珍しい・・・

寺の本尊といえば仏像ですが、當麻寺の本尊は「當麻曼荼羅(たいままんだら)」です。

マンダラというのは、仏様がいくつも描かれているもので、ワチャワチャと会議をしている様を絵にしたもの。

でも、そういった一般的なマンダラとは、ちょっと違うらしい。

話が難しすぎて訳ワカメでした

ちなみに本物は、ハスの繊維を染めて織っているようです。

ハスの繊維は非常に細く、扱いが難しいので、とても作るのが大変。

ハスといえば仏教においては特別な植物ですし、そっから糸を作るなんてのも、なかなか神秘的な話じゃ、あーりませんか?

當麻曼荼羅

参考・引用:當麻曼陀羅 一幅

最後に弥勒如来様です。

弥勒と言ったら菩薩じゃね?と思いますが、當麻寺弥勒様如来という仏のカテゴリーに入ってます。

菩薩と如来の違いは

  • 菩薩→修行中
  • 如来→修行が完了した仏

と、雲泥の差があります。

そもそも「弥勒」というのは、ただの名前。「釈迦さん」みたいに「弥勒さん」と呼ばれてました。

弥勒さんは釈迦の次に現れた仏様で、今も修行中の身。

だから、普通は「弥勒菩薩」です。

ちなみに修行の期間は、釈迦が滅びたあとから56億7000万年かかるらしい・・・

修行終わる前に太陽系が滅びてるんじゃね?

と、マジレスは置いといて。修行中の身なので、弥勒といえば菩薩なのです。

でも、修行が終わったら如来にランクアップすることが決まってます。

約束されているとはいえ、弥勒如来なのは気が早いと思うけどね。

さて當麻寺の本尊ですが、最初は弥勒如来でした。

ですが、當麻曼荼羅の方が人気があったのか、いつの間にか「當麻寺」=「當麻曼荼羅」というイメージになってしまい、本尊の座を奪われてます。

参考:當麻寺の歴史

当麻寺駅の歴史

当麻寺駅の歴史

引用:Google Map/澤田秀豊さん

それでは最後に当麻寺駅の歴史をサクっと見てゆきます。

当麻寺駅

当麻寺駅は1929年3月29日に開業しました。

大阪鉄道が古市駅から久米寺駅(今の橿原神宮前駅あたり)まで延伸した時に、同時開業。

古市から久米寺区間については、後から追加された駅や後で廃止になった駅は無いそうです。

当麻寺駅と前後の駅の位置関係

当麻寺駅は、二上神社口駅から2キロ。磐城駅からは0.7キロの所にあります。

駅間距離0.7キロは割と短めで、公式記録では3番目に短いですね。

1番は丹波橋桃山御陵前の0.5キロ

2番は伊勢市・宇治山田などの0.6キロです。

同じ0.7キロで同時開業は名古屋線の黄金・烏森と、当麻寺・磐城だけ。他は後から駅が追加されてます。

当麻寺駅は、寺への参拝客が目当てでしょう。

磐城駅は何故、こんな近くに作ったのか・・・それについては。ここでは触れません。

特にコレといった歴史はない

鉄道会社のレベルでアレコレあったくらいで、駅が移転したり駅名が変わったり・・・そんな話は無かったようです。

駅のスペックは2面2線で、構内踏切で繋がってます。

準急以下の種別が停まりますが、牡丹が開花するシーズンには二上神社口駅と共に、急行の臨時停車駅になることがあるようです。

當麻寺には約5,000株の牡丹があるらしい。

せっかくの観光資源ですが、知名度が無いのか、当麻寺の利用者数は1日平均800人未満でした。

当麻寺駅あたりはメチャクチャ不便な所でもないのですが、そもそも人がいっぱい住んでる土地でもないので、人口の自然減による衰退が予想される所です。

葛城市は、どう思ってんだろね。

まとめ:当麻寺駅は何故「當麻寺」と表記しないのか

当麻寺駅は何故「當麻寺」と表記しないのか

引用:Google Map/kyouji kiriokaさん

これは確実な話ではありませんが・・・

  • 地名などは漢字に制限が無い
  • 駅名は読みやすさ重視なトレンド

という理由で、駅名を「当麻寺」と表記するようにした。と思います。

件の當麻寺は、多分ですが一般認知度は全然ないでしょう。

ですが、国宝や日本最古のナンチャラがゴロゴロとあるので、興味ある人は是非行ってみては?

山門近くに駐車場があるので、行きづらいスポットではありません。

今回はこの辺で。じゃあの。

<<二上神社口
磐城>>

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