引用：国土地理院地図
豊津上野駅はどう見ても、合成名称ですね。
豊津地区と上野地区の間に作られた駅だから、こんな駅名になったの・・・？
と思うかもしれんけど、実はそう単純ではないみたい。
豊津上野駅のあたりが開通した当時、駅が2つありました。
豊津上野駅、元々は2つの駅だった。旧駅はどこにあった？
引用：国土地理院地図
豊津上野駅の開業は1943年。開通から28年後のことでした。
突然ポっと出てきたワケではなく、付近に2つの駅があって統廃合しました。
豊津浦駅と伊勢上野駅
1915年9月10日、豊津浦駅と伊勢上野駅が開業しました。
この2駅が豊津上野駅のルーツです。
正確な場所は分かりませんが、推定でこの辺りだと考えられます。
※当時、白塚駅はなし
豊津上野駅が開業
1943年7月1日、豊津浦駅と伊勢上野駅を廃止して豊津上野駅を開業しました。
時期的にも戦時中による節約と考えられます。
また、白塚駅・白塚車庫の計画もあったみたいで、駅が過剰になる事を避けて1駅にまとめたようです。
白塚駅は1944年5月8日に開業しました。
正確なことをいうと、白塚駅のルーツである逆川駅があったんですけど、廃止して新たに作りました。
詳細はこちら→白塚駅の由来は墳墓？。旧来の市街地に近かった別の駅との関係は
豊津と上野の由来
豊津は地名には残ってなくて、学校名や海岸名にだけ残されてます。
1889年には豊津村ができたのですが、河芸町が発足した時（1954年）に消えてしまいました。
こちらは名称からして、海関連を由来とする地名ですね。
豊かな漁場だったと思われます。
上野は元々「上野村」という地域があったから。
現在では河芸町上野として地名に残ってます。
上野ってのは、かつてあった上野城が由来です。
1619年に廃城となりました。理由は跡継ぎが滋賀県高島市に移る事になってしまったから。
参考：歴史の情報蔵
城の跡地は現在、公園になっています。
豊津上野駅にあるもう1本の線路とスペース
豊津上野駅の北側（山側）には更に線路があって、スペースもあります。
砂利が置かれているんで、保線作業用の車両や道具を置いておくスペースですね。
いつ出来たのかは分かりません。
国土地理院地図の航空写真を見た限りでは、少なくとも1960年代にはあったみたいです。
豊津上野駅の状況。ライバル駅？そんなもん無い
豊津上野駅から1.7kmほど離れた所に河芸駅がありますが・・・勝負にならんくらい利用者数に差があります。
とはいえ、豊津上野のあたりはせいぜい津市の端っこのイチ地区の駅なんで、津市からしたら重点駅ではありません。
お察しの通り、駅のグレードアップとか、駅周辺の開発情報は出てませんでした。
駅構造や周辺状況からしても、山側に駅出入口を増設する余裕もなければ、必要もないって状況です。
ですが、立地が結構良くて津駅や白子駅まで、どちらも10分程度の場所。
車を使う人がほとんどかもしれんけど、電車にしてもちょうど主要駅の間にあたる、絶妙な位置です。
国道沿いには色々とお店があって、比較的住みやすい町だと思います。
豊津上野駅は、大河ドラマの聖地。あの浅井家が居た
豊津上野駅のあたりは、そんなに何かありそうな所じゃなさそうね。
と思ったけど、少しありました。
本城山青少年公園
駅の北にある、小高い丘に公園があります。
ここには上野城がありました。
ただ完全に廃城とされたため、石垣すら残ってません。
また、ドラマのロケ地にもなった事から聖地巡礼に訪れる人が居ます。
公園には展望台があり、建物の2階は無料の資料館です。
ぜひ、立ち寄ってみてくださいな。
ちなみに上野城城主の家臣、中条小伝の墓が駅の近くにあります。
豊津浦海岸・河芸漁港・芦原海岸
海の方は漁港と砂浜があります。
公式な海水浴場ではないので、泳ぐのは推奨しません。
漁港付近や、砂浜で釣りをする人が多いです。
天候の良い時に浜辺でちょっと散歩するくらいなら大丈夫でしょう。
まとめ：豊津上野駅、案外住みやすいかも
豊津上野駅は普通しか停まらん駅ですが、立地が何気に良くて
- 津駅や白子駅まで電車で10分ほど
- 国道・駅・街が近くて利便性よし
- 海に近く、釣り好きにはピッタリ
こんな街です。
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