引用:Google Map
近鉄奈良駅は奈良県で唯一の地下駅で、県内1位の利用者数です。
その理由は、圧倒的な立地の良さ。
奈良観光の代表的な奈良公園、興福寺、東大寺、春日大社の最寄り駅です。
こういう事からも奈良は近鉄王国と言われてます。
近鉄奈良駅の歴史。地上駅にした理由は金欠か?
ですが、地下駅になったのは大阪万博の頃。
かつては地上に駅がありました。
地下駅にしなかった理由は何?
近鉄奈良駅の歴史を見ると、無理やりにでも市街地のど真ん中に駅を置いた事が分かります。
- 1914年4月30日に開業。仮設置
- 1914年7月8日に現在地の地上に移動
- 通常の路線ではなく、併用軌道だった
併用軌道というのは路面電車のこと。
路面電車は比較的安く作る事ができますが、安全面から速度が出せない決まりになってます。
なんでこんな駅にしたのかは定かじゃありませんが
多分、予算の都合。
生駒トンネルで莫大なお金を使ってしまったので、奈良駅がショボくなったのでしょう。
もう1つが、路線そのものに降りかかるデメリット。
- 目的が大阪・奈良の最短ルート鉄道
- 当時は過疎ってた所も通っていた
- だから全通開始は絶対だった
近鉄奈良線は、大阪と奈良を最速で行き来できる路線として売らないと話にならんので、近鉄奈良駅そのものの設備は後回しにされたと思います。
引用元:Google Map
仮設置場所は、高天交差点のあたりでした。
当時はまだ6車線もなく、半分くらいの道路幅です。
地下鉄の技術はこのあと
日本で1番最初にできた地下鉄は1925年、仙台でした。
この事からも、地下鉄を作るのはまだ少し難しかったと思われます。
JR西の奈良駅は1890年に開業しました。
その時代には地下に鉄道を走らせる技術がなかったので、町から離れた場所に作る必要がありました。
もう1つの理由が、全体の計画。
計画では天王寺・久宝寺・柏原・王寺・法隆寺・奈良・木津・伊賀・柘植・亀山と繋げる予定だったので、駅の向きもあるでしょうな。
近鉄奈良駅の地下化・副駅名の設定
1968年、近鉄奈良駅は地下化されました。
奈良市内の都市計画事業の1つとして組み込まれ、近鉄はラッキーだったでしょう。
大阪万博の開催時期でもあり、高度経済成長期のど真ん中でした。
さて、時代はぶっ飛んで2022年12月3日に副駅名「奈良公園前」が設定されました。
駅名標には鹿のイラストも入れられました。
これと同時に運行されたのが「ならしかトレイン」です。
近鉄奈良駅の場所は平城京の東端。京都とは違う歴史
引用:Google Map
ですが、平城京目線で見ると町はずれなんですよね。
逆に京都は御所や二条城に近い所が繁華街となってます。
この違いは歴史の長さですね。
平城京なき後の奈良
平城京は710年頃から始まり、100年と持たずに廃棄されました。
この理由は、朝廷に対して寺が色々と口出ししてきたので、距離を置こうとしたから・・・と言われてます。
他にも理由があって、コレと断定できるものはありません。
朝廷が居なくなったあとの奈良は、力を持っていた寺院が町の治安を維持してました。
ですので、町の中心が皇居→寺院に変化したのが1つのポイント。
ただ、武力には武力でやられるんで何度も戦火にやられてました。
室町時代~戦国時代にかけては、寺院→地元の武士団に勢力が移行。
寺院勢力が衰えていきました。
現代に至る奈良市の街並み
引用:Google Map
近鉄奈良駅のあたりが中心地になったのは、江戸時代がキッカケだったと考えられます。
奈良市あたりは、どこかの藩が実行支配するのではなく、徳川の直接支配地でした。
※キャンパスは近鉄奈良駅から400mほど北
江戸時代は260年続いたワケですから、結構な街並みになってたでしょう。
参考:奈良奉行所
「奈良」の由来
「なら」と言われたのは、ならした土地という意味だ・・・というのが最有力説です。
実際に奈良盆地はあまりゴツゴツしてなくて、なだらかな地形をしています。
そして平安時代には正式に漢字が付けられて「奈良」となりました。
参考:奈良
「奈」は反語の助詞に使われます。
どういうもんかというと、断定を強調する効果。
「良」は、漢字の通り優れている事を表します。
奈良には「良い地は他に無い」という意味が込められているのでしょう。
ちなみに「京」には皇居の意味があります。
オススメするまでもない近鉄奈良駅
奈良の観光スポットへ行こうと思ったら、ほぼ近鉄奈良駅で降りますね。
特に初見さんは、奈良公園に行きがち。
ですので外国人観光客もかなり多いですね。定番スポットが集まっているのもあって、土休日は凄いらしい。
国宝・重要文化財が多い
国宝に指定された建造物の数は、京都より多く64件あります。
彫刻品に限っても1位の多さです。
彫刻品ってのはほとんどが仏像。
駅西口の整備が進んでいる?
引用:Google Map
近鉄奈良駅の東口は屋根がついてたり、像が立ってたりしてますが
西口はただのバス停付きロータリーです。
この辺の環境整備が、ボチボチ進んでいるっぽい。
詳細な情報はあまり出てなくて、奈良新聞によると
令和4年度に西口周辺の整備基本計画を策定。
参考:近鉄奈良駅西口周辺の環境整備へ 屋根付き広場設置など構想
ただ、県知事が変わった事で、この事業も見直されている可能性がありますね。
大和西大寺駅の立体二重構造は残っている
線路を平城宮跡の南へ移設する工事は白紙になりましたが、立体二重構造にする話までは消えてません。
これにより、新大宮駅の地下化工事が無くなってます。
つまり近鉄奈良駅は県内唯一の地下駅として、まだまだ存在できそう。
個人的には近鉄奈良駅から直接、橿原線に入れる短絡線なんかあれば良いのにね・・・と思ってる。
まとめ:近鉄奈良駅の方が好立地な理由は、そもそもの設置目的が違ったから
引用:Google Map
JR西の奈良駅は、そもそもの構想が近鉄とは違い、途中駅のつもりで建てました。
近鉄は最初っから大阪と奈良を最短距離で結ぶのが目的。
そして、JRの奈良駅ができた時期には地下鉄の技術がまだまともになかった事も原因です。
ま、オススメするまでもなく人が集まる所なので、逆に観光公害に気を付けてって感じ。
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