撮り鉄の鉄道ノート

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学園前駅になぜ特急が止まるのか。謎を明かす

学園前駅になぜ特急が止まるのか。謎を明かす

近鉄にはいくつか「なんで、その駅に特急停まるねん」って駅があります。

今回はその中でもシリーズ1回目(?)奈良線学園前駅の話です。

学園前駅は全種別が停まるにしては、2面2線の規模は普通の駅。しかも生駒駅と違うのは、乗り換えが特にある所でもない。

同じような駅は他に3つ

大和高田駅は・・・ちょっと個人的には事情が違うかな、と思いました。

高田市は尺土と隣り合わせなんですよね。

その辺の話はこちら→>>近鉄南大阪線の特急停車駅、尺土・高田市の連続停車なんでやねん

さて、本題です

学園前駅に何で特急が停まるのか

その理由は学園前駅が作られた所まで戻らないと説明がつきません。

菖蒲池>>

近鉄奈良線学園前駅に特急が停まる3つの理由

近鉄奈良線・学園前駅に特急が停まる3つの理由

学園前駅に特急が停まる理由は3つ

  • 帝塚山学園と手を組んで開発を計画したから
  • 周辺の人口増加
  • 人口増加に伴う、利用者数増

実は学園前駅って近鉄が周辺開発を目的に作った駅なんですよね。

近鉄帝塚山学園の協力

創立25周年の記念事業で奈良にも学校作りたいなぁ

あ、じゃぁ俺たちと開発しない?

という事で、今の学園前駅に学校を設立。そして住宅地開発と駅舎新設を決めました。

帝塚山学園は、駅予定地の目の前に学園を

近鉄は新駅を造り、近鉄グループの方では住宅地の開発。そして家を売り始めました。

まぁ、そんだけ力を入れたんで、ちゃんとビジネスで回収しないと赤字ですからね。

ちなみに私鉄の有料特急は南海が最初と言われてます。多分

巨大路線網を維持するためにも、1人のお客さんからお金を多めにもらう手段として、近鉄の特急推しが行われましたね。

ただ学園前駅完成は1942年で、ダイヤ改正により特急停車駅になるのは31年後の1973年です。

同時に生駒駅も特急停車駅となってます。

周辺の人口が少しずつ増加

最初っから特急停車駅にならなかったのは、まだ開発しきれてなかったから。

帝塚山学園自体も、今よりはまだそんなに出来てなくて後から幼稚園・小学校や短大が増えていきました。

1961年~1969年の学園前駅周辺の航空写真

1961年~1969年の学園前駅周辺の航空写真(国土地理院より)

駅の周りは結構デキてますが、離れると空白地帯がありますよね。

ですが、どんどん住宅地は広がっていって・・・

1974年~1978年の学園前駅周辺の航空写真

1974年~1978年の学園前駅周辺の航空写真(国土地理院より)

人が増えたら、使う人が増える

近鉄奈良線は最初は生駒山地を貫いて、JRとは全く違う所に鉄道を通したもんだから、そんなに多くは無かったけど

学園前駅の開発もあったし、生駒は元々人が住んでたようで

1960年代には奈良線の利用者数がガンガン増えて、鶴橋駅は1967年には1時間に7万人もの人がやってくることに。

近鉄不動産(?)が力を入れた甲斐があったのか、気付けば奈良駅に次ぐ利用者数の多さになりました。

よし、特急を停めてもっと稼ぐぞ

と企んだのかどうか知りませんが

1971年のダイヤ改正で有料特急が停まるようになりました。

奈良県も喜んだ?学園前駅周辺の開発

奈良県も喜んだ?学園前駅周辺の開発

近鉄の沿線開発は勢いを増して、気付けば奈良線はパンク寸前に。

ということで生駒から今の大阪メトロ中央線に乗り入れる計画。そして学園前駅の北の方を通って木津とか祝園にまで伸ばす話が出たのは出たんですが

結局、用地買収やらなんやらで伸びたり何だりあって、2006年に学研奈良登美ヶ丘まで完成。

延伸の計画はまだ若干残ってるようで、ほぼ凍結状態。

2019年はに精華町は延伸の決議を出しましたが、そこまで。実現は遠いですね。

学園前駅学研奈良登美ヶ丘駅の関係性

この2つの駅はバスで繋がってるし、駅チカの大きな道をそのまま進んで行けばたどり着きます。

だいたい3.3kmほど。

まぁ歩きはちょっとツラいかな?ってくらいの距離ですが、行けない距離でもない感じ。

絶妙な距離で、学園前駅は学校と住宅。学研奈良登美ヶ丘駅は商業地と住宅。そして奈良先端科学技術大学院大学がちょっと離れた所にあります。

大学は1991年に設置。けいはんな線の計画はあったけど、まだ通ってない状態。

そういう事もあって学園前駅はメチャクチャ重宝してたんじゃないかと思います。

学園前駅は住宅区画でも便利な場所

バスで登美ヶ丘まで行けるし。生駒にも奈良にもさほど離れてない場所で、結構住みやすい地域ですね。

  • 生駒まで210円
  • 奈良まで260円
  • 登美ヶ丘まで270円(バス)

片道300円以内なんで、出掛けるにはまぁ許せる出費。

学園前駅チカにあまり目立った商業施設は無いんですが、近場にあるので不満はないのかなぁと思います。

チラっと奈良線の歴史を見てみる

近鉄奈良線の開業は大阪電気軌道によって1914年に開業。

本町駅奈良駅で、駅は他に鶴橋・片江駅・深江駅・小阪駅・若江駅・瓢簞山駅・枚岡駅・石切駅生駒駅富雄駅西大寺駅が開業

そう、実は隣の富雄駅学園前駅が出来るよりもっと前からあったんです。

なんで富雄駅が先にできてたのか、というと

富雄の辺りはもともと生駒郡の町の1つで「富雄町」となってました。今は合併で奈良市の一部ですが どうも古くから人が住んでいたようなんです。

川が1本走ってますしね。小さな町単位でも川の近くには人が住んでるという事。

まとめ:学園前駅に特急が停まる理由

学園前駅に特急が停まる理由

こんな2面2線で、しかも乗り換えがあるワケでもないのに何で停まるねん。

確かに帝塚山学園が目の前にあるけど、快速急行でよくね?

と思う人が居るかどうか知りませんが

利用者数は結構多い方だし、近鉄肝入りの1駅なんですよね。

近鉄のいつもの有料特急推しでしょ

最初の頃の近鉄特急は、今の汎用型よりも更に古いスナックカーよりももっと古いタイプが走ってたんでしょうが

最近はアーバンライナーや、ひのとり。伊勢志摩ライナーといった近鉄でも愛称が付いた特急が停まります。

これは車庫から大阪難波に送り込むついでに、通勤特急として

ついでだからお客さん乗せちまおう

と企んで設定した特急でもあるんですよね。

ちなみに通勤特急の役目どおり、朝は大阪難波方面だけ。

夕方以降は奈良方面が多く、大阪難波行きもちょっとあります。

この辺は桔梗が丘・古市・久居のような特急停車パターンとは違いますよね。

「なんで特急停まるねんシリーズ」で他の駅も取り上げるんで、お楽しみに・・・?

まとめ記事はこちら→近鉄の特急停車駅「なんで停まるねん」まとめ記事

菖蒲池>>

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