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近鉄とJR、どんだけクロスしてる?名古屋~鳥羽間を調べてみた

近鉄とJR、どんだけクロスしてる?名古屋~鳥羽間を調べてみた

近鉄JR東海は名古屋~鳥羽間でバチバチの火花を散らしています。

とはいえ、JR東海は新幹線の利益がかなりデカく、在来線は全然らしいですね。

なんせ超ドル箱の東京~新大阪が全てJR東海の持ち物だし、1位の利用者で2019年の利用者数は1億7000万人以上を運んでいます。

JR東海の92%が東海道新幹線からの収益のようです。

そんなJR東海とバトっている近鉄は、何回路線がクロスしてるのかな?と疑問に思ったんで調べてみました。

結論から言いますと、10回立体交差してました。

近鉄JR東海、名古屋~鳥羽まで何回クロスしてる?

近鉄とJR東海、名古屋~鳥羽まで何回クロスしてる?

調べるエリアは近鉄JR東海の名古屋~鳥羽の間に限定しました。

完全ではありませんが、ほぼ平行しているライバル路線ですね。

ですので、大阪や奈良や京都は今回省きます。

名古屋~鳥羽間でJRとクロスしている所

名古屋~米野八田~伏屋
長島~桑名益夫~朝日
川越富洲原~富田新正~海山道
江戸橋~津中原~松ヶ崎
伊勢市~宇治山田池の浦~鳥羽

以上の10か所でした。

名古屋~米野間だけ近鉄路線が下。下というか、地下なんですけどね。

他は全て近鉄が高架で交差してました。

その理由は簡単です。

JR線の開通の方が早すぎた

開業年開業部分現在の所有者
1891年亀山~津を開業JR東海
1893年津~多気~宮川を開業JR東海
1895年名古屋~柘植を開業JR東海
1897年宮川~伊勢市を開業JR東海
1911年伊勢市~鳥羽を開業JR東海
1915年白子~高山本山を開業近鉄
1930年中川~伊勢市を開業近鉄

というわけで、対象エリアはJRが今持っている路線の方が全て先にできていたのです。

なので、必然的に近鉄が高架でJRの線路をまたぐ事になりました。

できることなら立体交差なんかしたくありません。

余計にお金がかかるし、勾配をつけないといけないので。

でも、色々と事情があったようです。

近鉄線とJRが何度も立体交差してしまった理由

近鉄線とJRが何度も立体交差してしまった理由

JR側にも色々と事情がありましたが、近鉄にも色々と理由がありました。

まず前提として

  • 愛知・三重の県境を越える川問題
  • 名古屋線を作った元々の理由
  • 参宮急行の狙い

ほぼ、この3つで説明できます。

あとは用地問題ですね。

反対側にスペースが取れなかったから、仕方なく・・・そんな理由だったと考えられます。

愛知・三重の県境を越える川問題

県境には大きな木曽三川があって、これを越える必要がありました。

だけど、川は太いしカネないし。

というわけで、当時、名古屋線を持っていた伊勢電は

国鉄が捨てようとしてる古い橋を再利用しよう

と考えて、古い橋をゲットして名古屋への延伸を計画します。

まぁ、その後伊勢電は参宮急行に吸収されてしまうのですけど。

詳しい話は→近鉄長島駅、ライバル駅と近すぎ。なぜこんな所に?

名古屋線を作った元々の理由

名古屋線はもともと、海岸沿いに線路がないから引いてしまおうという計画でできた路線だったからです。

沿岸部もかなり昔から発展していた街、特に鈴鹿市の白子地区は大きな街でした。

津~四日市のショートカットにもなるだろうと考えて、鉄道を作って儲けてやろうという作戦です。

結果的にコレは成功しました。

詳しい話は→近鉄鈴鹿線はなぜできた?伊勢電の戦略が垣間見えた

参宮急行の狙い

参宮急行は、大阪方面から伊勢にお客さんを運ぶための線路を作ります。

もちろんできるだけ早い電車を走らせたいので、線路は可能なかぎり真っすぐに。

こういう理由があって、近鉄線はJR線を何度も立体交差することになりました。

名古屋~鳥羽の間で立体交差した、それぞれの理由

名古屋~鳥羽の間で立体交差した、それぞれの理由

さて、10か所それぞれクロスすることになった理由を、ざっくり解説します。

中には想像も入っているので、そこん所はご理解ください。

名古屋~米野間

これが、まず1カ所目の理由だと考えられます。

八田~伏屋

  • JRより南側の橋を渡る計画
  • 八田~名古屋のJR線、南側にスペースがない

以上の理由から、八田・伏屋間で立体交差する必要があったのだろうと考えられます。

現在ではJR八田駅はスマートですが、貨物スペースがありました。

ちなみに八田駅はかなり近くて、約150mほどしか離れてません。

関連記事:近鉄〇〇駅と競合駅、どれだけ離れてるの?ランキング

長島~桑名

というわけで、必ず立体交差しないといけませんね。

益夫~伊勢朝日/川越富洲原~富田

益夫~伊勢朝日/川越富洲原~富田

鉄道空白地帯の川越町を通るためだと考えられます。

あとはこの辺りに限って海側を通した関西鉄道の戦略ですね。

日本郵船の航路に接続したかったようです。

新正~海山道

これは、近鉄四日市駅の大規模な移転工事のオマケです。

四日市駅はもともとJRの四日市駅に近い場所にありましたが、あまりにも線路がクネクネしていたので今の場所に移転。

というわけで、新正・海山道間で立体交差しています。

新正駅は四日市駅の大移動から19年後に新規開業しました。

そのお話は→名古屋線で2番目に新しい新正駅、駅構造が特徴的

はい、次。

江戸橋~津

  • 津駅の海側にスペースがなかった
  • 名古屋線を作る最初の目的のため

この2つがあって、江戸橋と津の間でJR線とクロスすることになりました。

伊勢中原~松ヶ崎

参宮急行が山田線を作る前に、紀勢本線名松線はすでにありました。(まだ部分開業のところもある)

ですので、どっかで立体交差する必要がありました。

伊勢市側から伸ばした路線、早い電車を通すためにも真っすぐにしたいし

松阪から先は紀勢本線がかなり海に近かったので、松ヶ崎あたりでクロスするのは必然だったのでしょう。

伊勢市~宇治山田

宇治山田駅は当初から立派な3階建ての駅にするつもりだった。

そして神宮参拝の玄関駅として開業するので、JR線ごときで遠ざかるワケにもいきません。

というわけで、今の場所に駅をどーんと作りました。

まぁそもそも近鉄伊勢市駅は仮駅のつもりだったんですけど、そのまま残すことになって、鉄道系YouTuberのオモチャとなってしまうことに・・・(笑)

ちなみに、謎さんはこれ2回目ですね(笑)

池の浦~鳥羽

  • 海側にしかスペース余裕がなかった
  • 鳥羽線のルート設定上の都合

この2つの理由によって、池の浦、鳥羽間で立体交差しています。

鳥羽線は1970年に全通した、近鉄の中でもわりと新しい路線。

山田線と志摩線はそれ以前にあって、繋がってなかったのです。

ですが近鉄三重県志摩エリアは観光産業で発展する!と考えて、絶対に路線は繋げるべきとして新線を開業しました。

このため、伊勢中川~賢島は1本の路線のように見えて実は別々の路線名がついているのです。

ちなみに、鳥羽線は工事費回収のために割増料金がかかります。

参考:鳥羽線・けいはんな線における加算運賃について

関連記事→近鉄の謎?普通1本で行けるのに路線名が違う「伊勢志摩エリア」

まとめ:近鉄とJRどんだけ交差すんねん!?

近鉄とJRどんだけ交差すんねん!?

名古屋線・山田線・鳥羽線で絞ったら10回クロスしてましたね。

名古屋~米野以外は全て、近鉄が上を通ってました。

これはJR線の方が先にできてたんで、オーバークロスは必然

当時は伊勢電と参宮急行でしたが、それぞれの理由や周辺の状態もあって、立体交差してますね・・・うん、多分(笑)

それでは、今回はこの辺で。

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